信幸は私の全てだった

あのさらさらの髪 無邪気な瞳

そして覗かせる真っ白な八重歯を

ひとり占めしたいと思った時

信幸の隣に私が存在することは

許されなくなっていた





























空が晴れたら












































”桜”ということはから人々は様々なことを連想する。
いつもと違う並木道、街に溢れるパステルカラー、真新しいランドセルに少し大きめの学生服、そしてクラス変え。
別れと出会い、涙と笑顔が入り混じるこの季節特有のクラス変えが私は結構好きだった。
今まで仲の良かったクラスメイト達と離れるのは淋しいが、新しい環境で一から始める去年とは違う新鮮さに心惹かれるものである。
確か彼と出会ったのもこの季節だった。



「え?」
 それは新学期が始まり、新しいクラスにも大分馴染んできた頃のある晴れた日の朝。
私はトーストを半分齧ったまま素っ頓狂な声をあげた。母が突然こんなことを口にしたからである。
「今日から家庭教師を雇うことにしたから。K大卒のエリートだから安心するといいわ」
 私は一瞬自分の耳を疑った。K大といえば都内でも有名な私立大学だ。
母の話によるとどうやらその家庭教師は男で、今年の春K大を卒業し 、就職活動のため私達が済んでいるマンションの部屋の隣に越してきたという。確かにこのマンションは駅も近く通勤に便利だという利点はあるが。
かじりかけの小麦色のトーストがするりと手から抜け落ち器用に皿の上へと落下した。私は再度母の目を凝視する。
 確かに私ももう受験生だし、そろそろ本格的に進路のことを考えなければならないと思っていたが、私はあの男との一件のせいで男という生き物に対して恐怖心を抱いていたのだ。そんな私が得体の知れない赤の他人の男と数時間も一緒に過ごすことに苦痛を感じることは目に見えている。
 しかし母は私がこのような状況に陥っていることなど知っている筈がない。
だから私がそれを否定できる正確な理由を言える術はないのだけれど。
 その日の夜、私を迎えたのはいつもより豪華な食事やワイン、そして見知らぬひとりの男。
引越しの挨拶も兼ねて、うちに来たらしい。まあ夕飯でも食べていきなさいよ、と誘ったのは母に違いないのだが。
 男は確かにいい男だった。切れ長の瞳は意志の強さを表していたし、顎のラインは繊細で横顔を一層引きだたせる。
背はおよそ175,6cmくらいだろうか。まあまあの長身だ。
しかし知的な雰囲気はあるがどこか柔らかい観じがするのは、さらさらとした茶色の髪とふっくらとした唇のせいだろうか。
「はじめまして。笠井信幸です」
 にこっと微笑んだ口元から、真っ白な2本の八重歯が顔を覗かせた。なるほど、この男が幼く見える一番の理由はこれなのかもしれない。
 しかし、私はなかなかこの伸ばされた手を握る気にはなれない。だらんと垂らされた手がその場に佇む。
そんな私をやはり不審に思ったのか、信幸という男は不思議そうな目で私を見る。
その目が私を裁いているかのように見えて、私はすぐ顔を伏せてしまった。
「愛ちゃん?」
 男の言葉が私を現実へと引き戻す。私は即座に顔をあげた。
「は、はじめまして……」
 それだけ言うと、私は足元に置いてあったカバンを掴み取って勢い良く階段を駆け登り、自分の部屋へと書けこんでバンッと音をたてて戸を閉めた。
からだの力が一気に抜け、ふらふらとした様子でドアに凭れ掛かる。
 私のからだはあの時の恐怖を忘れていない。
私の手足を拘束したあの男の硬くて忌まわしい大きな手が、私に挨拶を求めてきた信幸の手とどうしても重なってしまう。
全く関係のない、同じ性別というだけなのにどうしてなんだろうか。
私はただ速まる鼓動を抑え、呼吸を調える。
 今日から私の受験まで1年近くある。それまで私はあの男と仲良く勉強などしなくてはならないのか。
別にひとりでもできるというのに。平常心を保ったまま男と二人きりでいられる自身が、当時の私には殆どなかった。
信幸を『男』という単位でしか見ていなかった私は、中身など判断基準として捕らえずにいた。
<男であること自体がもうすでにマイナス要素だったのだから。

 翌日から信幸との個人授業が始まった。受験生だからというものの、学校で朝から退屈な授業を散々受けてきたというのに、なぜ来たくしてからも勉強しなければならないのか、というだらけた思考とまたひとつ別のものが私にはあった。
それは信幸に、というよりも、男にふたりきりで勉強を教わるという得体の知れない緊張感である。
私は昨日急いで部屋へ駆込んだ後、一度も彼に会っていない。だからまともに言葉を交わすのは、今日が初めてと言ってもいい。
 その日は家に父の上司が食事に来る予定だったので、7時から9時までのあいだ信幸の自室で授業をする、と母から聞かされていた。
私はある程度の教材を抱え、時間どおりに彼の自室のドアを軽くノックした。
「あのぅ、愛ですけど……」
 するとドアごとに何やらバサバサと何かを片付けているような物音が聞こえてくる。彼は口をもごもごと動かせて、はい、と返事をした。
ガチャッと聞き慣れた音が耳に響く。それと同時にまるで心臓が飛び跳ねたような感覚を覚えた。
「ごっ、ごめん、ちょっと調べものしてて……。散らかってるけど、とりあえず入って」
 そう言い信幸は私を自室へと促した。入った途端、独特の優しい香りが鼻を擽る。
少し男臭さが残っていた部分もあったが、不思議と嫌悪というものは感じなかった。
インテリアは割と無機質でモノクロなカラーが多く、机の上ではプリントや数冊の分厚い本が散乱している。そのなかに、食べかけのコンビ二弁当が置かれてあった。
「……ご飯まだ食べてないの?」
 すると信幸はうん、まだ食べてる途中、と言い、部屋の中央にある黒いテーブルの上に、おそらく計算用紙に使うものであろうルーズリーフを置く。
颯爽と準備をする彼と机の上にぽつん、と置かれてある弁当を交互に見比べ、私は思いもよらぬ言葉を口にした。
「…待ってようか…食べ終わるの」
 早くやるべきことをやり終えて、部屋に戻ってテレビでも見ればいい。浩子と長電話でもすればいい。しかし無意識に私の口は意思とは反対に、そう動く。
 え、いいの!?と信幸は目を輝かせた。年上の割に子供みたいなその表情に、私は自然と笑顔を浮かべる。
先ほどまで張り詰めていた緊張感が、空気の抜けた風船のようにしゅうしゅうと萎んでゆく。
「いいよ、おなかすいてるんでしょう」
 すると、タイミングよく信幸の腹がぐぅっと音をたてた。信幸は恥ずかしそうに頭をポリポリと掻き、私は軽く笑いを零した。
あれ程憂鬱に感じていた筈なのに、何時の間にかそれは姿を変え、あげくの果てには見えなくなってしまっていた。
不思議な男だ。私は心からそう思った。




 信幸の実家は福岡県の筑後のほうにあり、私の家の隣に越してくるまで都内のはずれにある下宿にいたと言う。
そこは随分な男所帯で、毎晩の食事は戦争状態だったらしい。
だからこうやって1人分の食事をちゃんと採れることが妙に嬉しいと笑っていた。
 信幸の両親のこと、実家のこと、小・中・高校時代のこと、やっていた部活動のこと(信幸はラグビーをやっていたらしい)、下宿先での騒動のことなど、私は授業中なのも関わらずひたすら質問しつづけた。信幸はそんな私に苦い顔ひとつせず、ゆっくりと丁寧にひとつひとつの質問に答えてくれる。
 しかし、私は自身のことを信幸に話そうとはしなかった。知られるのが怖かったのだ。
両親の本当の子供ではないということを。そしてコインロッカーベイビーだという事実を。
信幸は何も聞かない。ただ黙って、私の質問を聞いていた。
 私にとって、信幸は兄みたいなものだ。当時男性恐怖症に陥っていた私が、(そりゃあ、最初は抵抗を覚えたが)割とあっさり打ち解けることができたのは、年が離れていたということこあるけれど、根本的な理由は、信幸があの男と全く違う性質だったということだろう。信幸は無垢なままでいやらしさが感じられない。なにより『兄』だったからより安心できたのだろう。
 しかし、それは私に対してだけの表情だった。






 その日は、静寂だけを残して全てを洗い流しているような雨が降っていた。まるで誰かが泣いているかのような雨。湿り気を帯びた校舎の壁と、教師や生徒達の足音が互いに響き合う。そのなかで、ぽつん、とひとつだけ取り残されたように明かりを漏らす放課後の教室。
 私はそこで浩子を含む数人の女友達と菓子をつまみながらお喋りをしていた。話題はだいたいいつも彼氏がらみのことや他人の噂などで、彼氏が忙しくてなかなか一緒にいられないだの、彼氏が他の女と逢っていた場面を見てしまっただの、誰と誰が付き合っただの別れたなどと、会話のネタが尽きることはない。以前は、経験がないから話題に入れないと駄々を捏ねていた私だったが今はそのようなこともない。
「愛は最近どう?」
「全然、何もないよ」
 私は伸ばした爪にやすりをかけながら、会話を交わした。すると浩子がきょとんとした面持ちで言う。
「え、あれは?K大卒のカテキョ。愛、結構格好いいって言ってたじゃない」
 私はえっ、と朧げに呟く。薄紫のやすりを持っていた手が一瞬止まる。
「そ…そんなんじゃないよ」
「え、でも格好いいし、頭も性格もいいんでしょ。条件いいじゃない、狙っちゃいなよ」
 ひとりのロングヘアをした友達が、そう言い私の肩を軽く叩く。私は困惑と呆れが入り混じった表情で笑った。
「その日と、彼女とかいるの?」
 浩子が思い立ったかのように言う。私は少し考え込む素振りを見せる。しかし、結論はすぐに出てくると思っていたのだが、それを結論付ける根拠がないことに気付いた私は本当に考え込んでしまった。
 果たして信幸に『彼女』と呼べる存在などいるのだろうか。平日の昼間は私も学校に行っているから詳しくは去らないが、それでも本人から聞いているところ、普段はバイトに言っているか就職活動をしているかのどちらからしい。夜は殆ど私の相手に追われているし、休日もたまに大学時代の友人との付き合いで呑みに出掛けている時もあるが、彼は殆どいつも自宅にいた。
「たぶんいないと思うよ」
「じゃあいいじゃん、いっちゃいなよ」
 私の返事に、浩子らは目を輝かせて身を乗り出す。彼女達に言わせれば、そんな条件のいい男を目の前にしてなんとも思わないのであれば女としてどうかしているという。けれど私は首を左右に振る。
「本当にそういうのじゃないんだって。信幸はお兄ちゃんみたいなものなんだ。好き、とかそういうのは考えられないよ」
 期待外れの私の結論に、浩子らはなぁんだ、とつまらなそうに呟く。そして話題の中心を私からまた違う日とへと持っていき、そのことについて喋り始める。それが幾度か繰り返された。
 私にとって信幸は『兄』で、信幸にとって私は『妹』でしかない。それはこれからもずっと変わらぬまま続いていくと思っていた。
 私は怖かった。その関係が風化してしまうことが。そして信幸を失ってしまうことが。
何より怖かったのだ。






 時が経つのは早いもので、先程まで降っていた雨は何時の間にか止んでいた。最終下校時刻を知らせるチャイムが鳴り響いた時、窓の外は夕焼けが校庭を照らし、そこに置かれている部活用具が丁度シルエットになっている。絵になるような風景に、私は心を奪われていたが、友人達の身支度をしている物音でふと我に返ってしまった。

「あれ、傘持って変えるの?雨もう止んでるよ。置いていけばいいのに」
 教室を出て、私達が廊下を歩いていると、置き傘をロッカーから取り出し持って帰ろうとする友人がいた。不思議に思って話し掛けると、彼女はでもまたすぐ降るみたいだよ。天気予報でやってたから、と自信ありげに言うと、またねと踵を翻して去って行った。その姿を見送った後、どうする、と浩子に聞いてみる。
「別にいらないんじゃない、大丈夫だよ」
 私は少々不安を感じたが、まあそんな大したことはないだろうと言い聞かせ、再び人気のない廊下を歩き始めた。
 窓の外からは、部活後の片付けをしている生徒達の声がぽつぽつと聞こえてくる。運動部の生徒は皆、グラウンドか離れの体育館で活動しているので、当然校舎は人気がない。
 人気のない校舎というものは、なんとも哀愁漂うものだろうか。自分の足音がひとつひとつ廊下中に響き渡り、それが自分のものではない、何か別のもののような気がして急に恐ろしくなることがある。それだけで、全く違う建物ののように感じられるものだ。
「愛?」
 ぼうっとしていた私に気が付いたのか、浩子は私の目の前で手のひらを上下に振ってみせる。
「愛って時々、立ったまま寝てるんじゃないかって思う時あるわ」
 私はその言葉に曖昧に笑ってみせた。





 電車の窓から覗いていた曇り空は次第に悪化していき、私が電車を降りた頃にはもう冷たく降りつける雨へと変化していた。私の横を傘をさしたサラリーマンやOL達が悠々と通り過ぎていく。学校を出る前、油断して傘を持ってこなかった私は途方に暮れた。
(どうしよう……)
 コンビにまで傘を買いに走ろうかと思ったが、財布のなかを覗けば中身はたったの74円。傘どころか缶コーヒー一本すら買えやしない。仕方なしに私は駅を飛び出し走り出した。咄嗟に鞄を傘代わりにしたのだが、あまり雨凌ぎにはならなかった。
 冷たい雨が髪を濡らし、頬をつたい首筋へと流れ落ちる。その雫を含んで重みを増す制服。もつれて上手く走ることができない足。いつも歩いている距離が無駄に長く感じてしまうのは気のせいなのだろうか。
 私達の住んでいるマンションは駅を出て陸橋を渡り、2,300m程まっすぐ行って左に曲がったところにある。私はその曲がり角のところまで差し掛かっていた。すると、雨で一瞬視界が揺らいだが 、よく見ると見覚えのある青年がマンションの近くのヒヤシンスの花壇の前に立っている。
――――信幸だ。私はそう確信し、信幸の元へ駆け寄ろうとしたのだが、どうしても足が動かない。目の前の風景を見て、そうしてはならないことを悟ったからだ。
 会話の内容はよく聞こえないが、楽しそうに微笑みあう男女。女は少し酔っているのか頬を赤く上気させている。ふらついた足取りで歩く女の手を繋ぎ、左手では大きな透明感のある青色の傘を差している男。
―――それが信幸だった。
(嘘……)
 幸せそうな顔で、女の頭を軽く叩く信幸。ウェーブのかかった長い髪を、愛しそうに指を通す信幸。憂いの篭った男らしい瞳、大切そうに扱うその仕草、取り巻く雰囲気までも。全て見たこともない、私が知らずにいた『男』の信幸だった。『兄』ではなく、『男』の。
 驚愕と羨望、嫉妬と絶望そして悲哀。様々な感情が私のなかで動き出す。そんな私に追い討ちをかけるかのように、ふたりは向き合い、キスをした。
 胸の奥がズタズタに切り裂かれたような痛みを感じた。見ていられなくて、ふっと目を逸らす。
「またね……」
 女の澄んだ声が聞こえる。暫くして、扉の閉まる音がした。信幸がマンションに入っていったのだろう。そしてカツカツとヒールの音を響かせて、女が私の立っている位置へ近付いて来ようとしていた。
 早く歩き出し、何事もなかったようにその女とすれ違えばいい。そして、自分の部屋で信幸が来るのを待てばいい。信幸の無邪気な瞳を見て、今日の宿題、少し難しかったよ、と言えばいい。そして、母の作った茶菓子を食べながら、また他愛もない話をすればいいのだ。
 そんなことはわかっている。わかっているつもりなのだ。けれど足が竦んでうまく動けない。足音が大きくなるにつれて、私の鼓動は早くなる。額の上を冷や汗が走り、硬直が足だけとは言わず全身にまで及ぶ。
「あら」
 信じられなかった。なんと、立ち尽くしていた私に気付いた女が怪訝そうに顔を歪めるどころか、嬉しそうに私に話し掛けてきたのだ。
「あなた信幸の生徒さんよね。いつも聞いているわよ、あなたのこと。すごく出来がよくて、いい子だって」
 言葉で言い表すことは困難と言える程綺麗な女だった。すらりとした手足は長く華奢で少し力をいれたら折れてしまいそうな程儚い。ぱっちりとして愛らしい二重の瞳に添えられた睫毛には綺麗にマスカラが塗られていて、思わずどこの使っているんですか、と聞いてしまいたくなる。淡いベージュで塗られたぽってりとした唇が一層愛らしさを際立たせていた。
「信幸は口下手だから、時々何言っているのか分からなくなる時あるでしょう。大目に見てやってね、彼も毎晩一生懸命みたいだから」
 女は笑顔を浮かべ、何の疑いもず私に話し掛けている。深いに思わないだろうか。自分の彼氏が他の女と何時間も毎日ふたりきりでいることを。生徒とはいえ、年齢さなどたったの5つだ。5歳差のカップルなんてそこらじゅうにゴロゴロしている。何もないとは言いきれない。それとも私はそんな嫉妬すらする必要のない程低俗な女だと思われているのだろうか。
「じゃあね」
 女はそう言い、凛とした後姿を私の目に焼き付けて行った。雨の中でそれはとても美しく映え、ひとつの風景画のようにも見える。それに比べて私は雨に塗れた汚らしい高校生。比較にすらならない。悔しい。そうした感情がどろどろと私のなかを汚してゆく。

 私は何も無くなったその曲がり角から動けないでいた。目の前の光景に、どうしても先程のふたりの姿がちらついてしまう。
 『兄』なら。信幸が『兄』なら。妹として喜ぶべきではないか。あんなに綺麗な彼女ができたことを。喜ばなくてはいけないのではないか。
けれど、そうしようと思えば思う程、むなしさが押し寄せてきてどうしようもなく悲しくなる。目頭が熱くなり、私は空を仰いだ。




『そんなんじゃないよ。信幸はお兄ちゃんみたいなもんなんだって』





 先程浩子に言ったあの言葉をもう一度心のなかに刻み込もうとした。しかし、からだが、こころが、それを拒否してしまう。
 どうして涙が流れるのだろう。どうしてこんなに苦しくなるのだろう。私が悲しくなることなど、何もないではないか。なのにどうしても止まらない。止んでくれない。意思とは裏腹に、涙が、そして雨が私を叩きつける。私にとって信幸は本当に兄だったのか。本当にそれだけだったのか。無垢なまま、何も望まないまま彼を必要としていたのだろうか。そうこう考えているうちに、ひとつの思考が生まれた。




私は信幸が好きだったのだ。





雨はいつまでも降り続いている。暗闇を覆う雨雲が、見えなかった愛情さえも包んでくれたら、と私は無意識に願っていた。







◆後書き◆


……疲れた。めっちゃ疲れた。笑

打つだけの作業って滅茶苦茶面倒くさいくせに結構時間かかんねん。笑

空が晴れたら メインの話は実はここなの。信幸との恋愛。つぅか片思い?

今まで恋愛に対して臆病で、何もできなかった愛がどう成長していくのか、

最後まで見守っていてくださいね。何気に次回でラストです♪







女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理