黒い親子11
父親:なあ、息子よ。
息子:ん?
父親:父さん、いいかげん働こうかと思うんだ。
息子:待て。
父親:なんだ?
息子:ええー!!
働いてねーのー!?
父親:ああ!
息子:ああじゃねえよ。
どーすんだこの先・・・。
父親:ああ!
息子:しかもお前それ相当働いてない言い方だろ。
失業保険が尽きたら俺たち終わりだぞ?
父親:ええ!?
息子:いまさらかよ!
父親:大丈夫、大丈夫だ。
父さんもう次に何の仕事するか決めてあるから。
息子:で、何よ。
父親:ああ、占い師だ。
息子:は?
父親:ははっ、よく聞こえなかったのか?
も・べ・ば・ば・し、だ!
息子:間違ってるぞ。
父親:とにかく父さんはこの3ヶ月間というもの、
もべばばしになるため必死にがんばってきたんだ。
息子:そっちに統一しちゃったかー。
父親:ということでお前、ちょっと一緒にやってみようぜ。
息子:つーか3ヶ月も働いてないってお前。
父親:頼む!
息子:いいよいいよやるよ。やるから働けよ。
父親:さあいよいよ始まりました「レディオ カンボジア」
DJの父親でーす。
息子:いやあ始まりましたねーっておーい。おい。占いしろ。
父親:いや、俺がやりたいのは、DJ占い師なんだよ。
息子:何それ。ラジオでやるってこと?ハガキもらって?
父親:そう。悩める日本人が俺の占いで人生に希望を見出す。
景気は回復。俺はモテモテ。郵政は民営化だ。
息子:どういうことだ。
まあでも全国区で占いできるからな。いいかもしんない。
父親:じゃあ仕切りなおし。
さー始まりました「レディオ 郵政民営化」
DJの父親でーす。
息子:そんな名前なのか。
DJの息子でーす。
父親:最初のハガキは東京都の「マダガスカル慶子」さんから。
「私はもう大学2年生なのですが、
いままで一度も彼氏というものができませんでした。
私はこの先どうすればいいでしょうか?」
息子:あーなるほど。なかなか切実ですね。
こんなときはどうすればいいでしょう父親さん?
父親:む!見えた!あなたの進むべき道が見えましたぞ!
息子:突然仙人みたいになったな。
どうすればいいんですか?
父親:まず最初に彼氏を作って、それから
息子:次のハガキは和歌山県の「3ちゃんねらー」さん。
「僕は今年で26歳になるのですが
3年付き合ってきた彼女と結婚しようかどうか迷っています。
結婚すべきかどうか占ってください。」
父親:結婚かー。人生の分岐点だからなあ。
息子:離婚とかになったらまためんどくさいですからね。
父親:ほんと難しい問題だよねー。
次のハガキは富山県の「ガスバス爆発」さん。
「僕は勉強もできないし、彼女もいないし、
バイトもする気になれないし未来に希望が見えません。
僕は死んだほうがいいんでしょうか?」
息子:うーん。鬱々としてますね。
僕も何度かそういう時期はありましたけれど。
父親:ガスバスばくらつ、ガスバスらくらつ・・・バスガス、
あー!逆に言いにくいなー!
息子:うわあもう見向きもしていない。
父親:ガ・・・ガスバス爆発!言えた!!
息子:おお!
父親:次のハガキは「メガネマン」さんですが
その次のハガキは「東京特許きょきゃきょく長」さんです。
息子:飛ばした上に噛んだ。
父親:東京きょっきょとか局、きょっきょ許可局、
東京、「なまむぎかんだら鼻おれた」。
息子:なんだそれは。
東京特許許可局。
父親:東京、きょっきょとかとく。
息子:東京、特許、許可局。
父親:東京、特許・・・許可、局。
東京特許許可局!
息子:おお!東京特許許可局!
父親:バスガス爆発!
息子:バスガス爆発!
父親:魔術師手術中!
息子:魔術師手術中!
父親:魔術師分娩中!
息子:魔術師分娩中!
父親:出産!
息子:出産!
父親:訴訟!
息子:訴訟!
父親:敗訴。
息子:敗訴。
父親:原告の東京特許許可局長バスガス爆発で死亡!
息子:原告の東京きょっきょとかとく、うわ噛んだ
占いしろ――!!
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