口腔ケア


皆さんも、既によく御存知のように、口腔ケアは時として、大事を引き起こす事もあり得る、重要な問題ですね。ところが、日々の介護の慌ただしさに追われ、つい怠りがちにもなりそうな、口腔ケアでもありますね。

被介護者の状態(年齢、病気、その他)によって、口腔ケアのあり方も随分と異なりますが、ここでは義母の体験談をお話しさせて頂き、何かのヒントにして頂ければと思います。
義母は初期の頃は、だ液がとてもネバネバし、後期になると、そのだ液も出なかった事、また、痴呆がありましたから、これらの事もケアに関して大きく作用していたと思います。

症状に合わせた具体的な方法については、最後に挙げましたサイトを参考にして頂けたらと思います。

*介護初期
義母はパーキンソン症候群がありましたから、歩行、食事、排泄が自立出来ていた頃も、細かい動きを伴う歯磨きは、なかなか難しい事でした。そこで一応、始めは義母自身に磨いてもらい、最後は仕上げということで、私がもう一度磨いていました。文章で書くと、とても簡単ですが、実際はそう簡単にはいきません。(^_^;)

食後はゆっくりしていたい義母を、まず洗面所に連れて行くのに、一苦労、一騒動!!
そして義母が磨き、私に替わるまでの、長い事、長い事。。。。(-_-;)
義母は上だけ義歯なので、うっかり歯磨きの前に、それを外すのを忘れると、せっかく磨いても、また一からやり直しが始まり、さらに延々と。。。。
磨き終えても、しば〜〜〜らく、アホほど口をすすぎ(私には、水遊びとしか見えない!)、同時に、洗面台を洗う動作も、必ずするのです。律儀に。。。(>_<)
それからようやく、私の仕上げ。そして、またまた、しば〜〜〜らく、アホほど口すすぎ。
横で待っている私は、うんざり。┐(´ー`)┌
毎日、苦行難行のようでした。(笑)

義歯の手入れは、私が洗浄液につけ、それをすすいで義母に渡していました。
下の歯は、ほぼ全部残っておりましたので、歯があると、それはそれで手入れが大変なんですね。

*介護中期
この頃は、口がうまくすすげなくなり、水もうまく吐き出せなくなりましたが、朝晩2回の口腔ケアは欠かさず行なっていました。
時には、口を開けないので、こじ開けたり、私の指も噛まれたり、毎日のように、洗面所で喧嘩です。(苦笑)
それでも、歯磨きを欠かさなかったのは、歯医者に行くのが面倒で。なぁ〜んて。。。(^_^;)

それに、義母のように嚥下障害(介護アラカルト「嚥下困難」参照)があると、眠っている間に、だ液が肺にはいるといった誤嚥を起こしやすく、口腔ケアを怠ると、だ液の中に細菌が繁殖し、それが原因で肺炎にもなりかねなかったので、口腔内はきれいに保つよう、注意を払いました。
この嚥下困難がある時期からが、口腔内も汚れますし、誤嚥性肺炎も起こしやすい為、一番口腔ケアが大切になってくるのですが、ケアが一番難しい時期とも言えるのではないでしょうか。

洗面所に車椅子で連れて行くのが面倒で、食卓で口腔ケアをし、膿盆を当てて口をすすいでもらったこともありましたが、痴呆が進行してからは、口に含んだ水を吐き出すという行為がわからず、膿盆の汚水を飲もうとしたりし、それがまた、トラブルにもなっていました。
ですから、移動が面倒でも洗面所に行き、前かがみにさせると、時間はかかるものの、かろうじて水が吐き出せたものでした。

また時には、すすぎの途中でむせたりするので、ひどい場合には吸引機も必要だと思われます。

*介護後期
経管栄養(介護アラカルト「経管栄養」参照)となり、口から水分さえ入れなくなると、義母は、だ液が殆ど出ない為、一晩のうちに、舌にこけのようなものが、1〜2ミリもあろうかと思われる膜となってこびりつき、手ではがした程でした。
初めてのことに、とても驚いたものでした。
その後は、豚毛の歯ブラシで一日に何度も、口内の粘膜をこすってきれいにすると共に、湿り気を与えたり、調子が良い時には、氷を口に入れてあげたりしました。
だ液が出ないと、口から物を食べなくても、すぐに口の中って汚れるのには、びっくりしました。

そして、呼吸が苦しくなって来ると、口をいつも開けている為、唇、口腔内も乾いてしまうので、粘膜保護の為、リップクリームを塗ったり、湿らせたガーゼを口に当てたり、ネブライザーで湿らせたり、工夫していました。

こうして、義母の口腔ケアは亡くなる直前まで、6年余り続いたのでした。

*症状に合わせた詳しい口腔ケアの方法は、専門家の下記のサイトを御参照ください。

@目で見る口腔ケア
http://www.aichi-gakuin.ac.jp/~oralcare/

タイトル通り、目で見やすいのが、ありがたい。

@口腔ケアについて考える
http://ww3.tiki.ne.jp/~y-takaya/

こちらのサイトの『口腔ケアマニュアル』は、症状別に説明してあり、お薦めです。
また、掲示板もあって、質問も出来るようになっています。

*また、訪問ハミガキ指導もありますので、ケアマネさん、叉は、歯科の訪問診療を行なっている所へ、お問い合わせください。

H.14. 6. 8. 記 

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