むくみ(浮腫)のケア


むくみ(ふしゅ)とは、御存知のように外から皮膚を押すとくぼみが出来る状態をさします。
体がむくんでいるかどうかを調べるには、一般的に足のむこうずねを押すとわかりやすいと言われています。

【原因と症状】
体力低下に伴う循環不全、体液のバランスの変化、腫瘍の圧迫によるリンパ液や血液のうっ帯、あるいは腎機能障害、栄養障害などによって余分な水分が体内に蓄積されて起こると言われています。
そして専門書には、むくみがあると肢が重く、動きにくく、緊満しはち切れる感じがするとありました。

【義母の場合】
乳ガン悪化に伴いリンパ節が腫瘍におかされ、右腕にリンパ液が徐々にたまり、むくみのなかでも「リンパ浮腫」と言われる状態になりました。
むくみは徐々に進行し、腕が太く重く、次第にパンパンに腫れ上がり、所々皮下出血もしていました。

むくみが進行すると、いろいろと気を遣いました。次は、ケアの実際について。。。

【ケアの実際】

▲挙上
横になっている時は、浮腫のある四肢が体の下にならないよう体位を工夫したり、枕やクッションを入れ高くします。
腕全体がむくんでいる時は、座位の場合、三角巾で吊っておくのが良いそうですが、義母の場合は、腕の重さが負担にならないよう、腕を乗せておく場所を工夫しました。

▲圧迫
「弾性ストッキング」や「弾性包帯」(薬局で購入)を使用する方法で改善が見られました。

   注意点!!
 包帯は手(叉は足)の先から巻き、朝と晩に巻き直します。
 夜間を含め常に装着します。
  無理な場合は、朝、まだむくみが少ない時に装着し、夜はずします。
 包帯等交換時に、肢を洗い充分乾かします。

▲屈伸運動
腫れた腕や脚は、一日を通して出来るだけ普通に動かすようにします。
義母は自分では出来ませんでしたから、介護者による他動運動をしていました。

▲マッサージ
末梢(手足の先)から中枢(体の中心)に向かって手のひらで揉んだりさすったりします。
摩擦によって皮膚を傷つけないようにする為、ローションをつけた方がよい場合もあるようです。

▲保温
むくんでいる皮膚は血行が悪く、冷感や痛みを感じる場合もあるようです。
手浴、足浴で温めたり、電気毛布、湯たんぽ、使い捨てカイロ、温タオルなども効果的です。
しかしながら、浮腫がある場合は、やけどを起こしやすいので、温度や時間に注意が必要です。

▲皮膚の保護
むくみのある皮膚は傷付きやすくなり、また乾燥しやすく、かゆみの為に知らないうちに掻いてしまう事があるので、爪にも注意が必要です。
義母の場合、介護者の爪がむくみのある皮膚に引っ掛かりやすくなりましたので、その注意も必要でした。
感染予防のために皮膚を清潔にし、乾燥予防のためにクリームやオイルで保護もしていました。

▲その他
手足浴は感染予防、保温にもなるので毎日行ないました。
起きあがれない時も、ベッドの上で行なうようにしていました。
その際、ハーブオイルをたらすと保温にもなりますし、介護者にとってもリラックスタイムとなっていました。

浮腫がひどくなると、歩くのも大変になり皮膚感覚が鈍くなって、転びやすくなる事もあるようで、注意が必要のようです。

また治療上、利尿剤を使う場合もありますから、頻繁な排尿があり、本人も介護者も苦痛を伴う事が多いかもしれませんね。
実際、義母の浮腫が全身に及んだ時は、体全体が重く重くなりましたし、関節も浮腫の為あまり曲がらなくなりましたし、体位交換、更衣、排泄等、とても苦労しました。

意識がおありの方にとっては、とてもお辛い事でしょう。
浮腫が出ていてこの大変な時期、少しでも楽に過ごせられますよう、お祈りしつつ。。。

参考図書:「緩和ケアハンドブック」 訳 津崎晃一

     「緩和ケアマニュアル」淀川キリスト教病院 編

H.15. 3. 13. 記 

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