今はただ

風に身を委ねていれば良い

それだけで

見えてくる道もあるんだ





どうですかコレ!!!(落ち着け)
壱万ヒット祝いに紺屋真さんから頂いてしまいましたよ!!!!
(ちなみに頂いたのはイベント後に行ったカラオケ屋/笑)
震える手で受け取って怪しい笑みを浮かべてました。危険人物です。
イラストの裏には上に書いた詩がありまして、思わず感動。
絵に合った詩を書ける人ってすごいなぁと思うのですよ。その逆も然り。
・・・で、勢い余ってSSなんぞ書いてしまいました。
かなりの意味不明文なのですが・・・真さんへお礼返しです。
何といいますか、ただの会話文?・・・よくわからないブツです。
ちなみに返品可で冷凍可で焼却可です。食べるのはオススメできません。
焼却の際には変なガスが出ないように気をつけてください。

・・・さっきから何言ってるんだよ、自分・・・。
そして取り込んだら画像が荒れててショックを受けました。
本当はもっと綺麗なんですよー!!!!(大泣)




ではでは真さん、素敵なイラスト&詩を本当にありがとうです!
これからもよろしくお願いしますv(爆)






生き抜く覚悟がある方は↓へどうぞ。








の中で




光が、とてもあたたかかった。

どうしてだろうとかいう疑問は、口の中。

きっと誰に言うでもなく、ずっとそのまま。

言葉にしようとして、何度もやめた。

だから、ずっとそのまま。





考えて、そして思う。

瞳は濡れる。

けれど零れない。

どうしてだろうと、また思う。

そして、思ったまま。





「泣くのが嫌なのか?」



やがて視線は正面を向いたまま、隣の人間へと口を開く。

隣に座る少年は、ちらりと視線を寄越した。

そうして首を左右に小さく振る。

赤い服が薄く衣擦れの音を立てた。

少年は黙って立ち上がり、真っ直ぐ目の前の空を見る。



「気をつけなよ。落ちないように」



少年が、今度は小さく頷いた。

それから数度、瞬いた。

それを見て、思う。

濡れているのに何故だろうか。

その機能がまるで消え失せてしまったかのように。

何故零れないのだろう。



「・・・泣けないんだね」



風が吹く。



「泣きたいくせに」



風が吹く。



「・・・・・・別に、泣かなくてもいいけどさ・・・・・・」



柔く、優しく、強く、厳しく。

風がふたりの周囲を取り囲む。

少年が、薄く笑んでいるのがわかった。

悲しく笑んでいるのがわかった。

わかったからこそ、わかるからこそ。

だから、溜息が漏れる。



「・・・まったく」



少年が何も言葉を期待していないのを知っている。

期待しているなら、気まぐれに与えてもいい。

けれど少年は何も期待していないから。

だから、溜息が漏れた。



「運命に、紋章に振り回されるのが嫌なんだろ」



少年が笑う。

自嘲と、苦笑。



「・・・疲れたんだろ・・・」



己も立ち上がり、少年の隣に陣取る。

少年は再び前を向き、目の前の空を見ていた。

微かに濡れた瞳で、何の感情も見せず。



「・・・前は見えてる? 何か、見えてる・・・?」



問われて、少年は返事をしない。

言葉は風に飛ばされ、すぐに消えた。



「手、貸して」



今度は飛ばされないように少し強く言葉を空に放る。

それから返事を待たず、少年の手を掴む。



「・・・今は、ただ・・・」



掴んだ手を、前方へゆっくりを動かす。

何も無い空へ手を伸ばした。

風が何度も手のひらへ転がり込んでくる。



「風に身を委ねていれば良い」



空気を伝う声に、少年が目を閉じて小さく笑った。

転がり込んだ風を、ぎゅっと握る。

片方の手が離れて、握られた拳だけが残った。

少年のその拳は、彼の胸元へと移動し、服に皺を作る。



「それだけで」



そうして続けられた言葉は、少年の声にかき消された。

言葉の主は光と風を受け、そしてそれでいいと思う。

少年が一度だけ叫んだ名前を聞いて、それでいいと思った。

彼の大切な、でも失ってしまった名前を聞けただけで、良かった。



「それだけで、見えてくる道もあるんだ・・・」



かき消された言葉をもう一度繰り返して目を閉じる。

相変わらず少年の瞳は濡れたままで。

それからちっとも零れないけれど。

でも、それでもいいと思った。



「たまには、ゆっくりしてみなよ」



少年がまた微笑む。

返される言葉なんてわかっている。

わかっていて、告げるのが自分の役目。



「泣かなくていいから・・・」



だから、どうしてだろうとかいう疑問は今も口の中。

きっとすべてを誰に言うでもなく、これからもこのまま。

途中まで言葉にして、最後までいかずにそのままやめた。

そして、きっとこれからも疑問を抱いて、このまま。



「・・・無理、せずにさ」



ただひたすらに、ずっと少年の隣で、思う。

ただひだすらに、ずっと少年の隣で、思ったまま。

そして、それでいいと思う。



「言っても聞かないんだろうけどね」



屋上に流れる風は光を運ぶ。

光は、相変わらずとてもあたたかかった。






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