〜しいなたくと様より―馬超×劉備〜

「ははっ…さっきからなぁに不貞っ腐れてんだよ、劉備!」
「…………不貞腐れたくもなる…なんなんだこの花は…?」
「いーじゃねえか。違和感ないぞ。寧ろ似合いすぎて怖いな」
「…私が付けても似合うはずないだろう!若い娘ならともかく…嫌がらせにも程がある!(むうっ)」


とかいう会話が成立しちゃったりとか!
ああもう、萌え・・・!!!

失礼しました。やたら取り乱しました・・・。
しいなたくと様の管理する「お気楽極楽晴天道」で運良くキリ番を踏ませて頂まして。
ちょこっと期待を込めて申告してみましたら、リクOKとのことだったので、
遠慮なく「劉備と誰か」とかいう不親切極まりないリクをさせてもらいました。
そうしましたらこんな素敵な馬超×劉備絵が・・・!!!!
ピンク!お花ピンクですよ皆さん!!殿違和感ねぇー!!!
赤くなってるほっぺも拗ねてる顔も可愛いなぁ・・・vv(危険人物)
そして個人的萌えなのが、ばちょさんより殿が色白だということ!
史実でも色白ですしねーv何故かそのへんにも異様な萌えを感じました。
それにしてもばちょさんホント楽しそう・・・。殿への愛ゆえか・・・v

しいなさん、素敵なばちょさんと拗ね殿をありがとうございますvv

















そしてこっそり・・・。














立っていた。
ほのかな香り沸き立つ、色彩豊かな足元。
気付けば、それを見下ろして、立っていた。






























暫く、立っていた。
風が吹き、足元の色彩が揺れ。
香りが鼻孔に触れるまで。
甘い香りに、ようやく頭が動き出す。


「・・・花畑、か・・・」


呟くと、まるで言葉を発するなとでも言いたげに風が吹く。
風は呟きを乗せ、花畑を駆け抜けた。
ああ、わかったよ、と、心の中で小さく言う。
この空間に、空間以外のものを持ち込むなということか。


でも、もう少しだけ居させてくれ。


腰を下ろす。いくつか、花が折れた。
それを横目で見やりながら、小さく詫びる。
そして、また、風。


ここは、居心地がいい。


目を閉じた。
風が頬を掠めていく。
撫でるように、急かすように。


ここにいると、色々なことが忘れられる。


己の中の、黒い感情。憎しみや、怒りや、悲しみ。
真っ黒な上に、豊かな色彩が落ちてゆく。
鮮やかな色は黒の上に降り積もり、黒を消す。
見えなくなれば、思い出すこともない。


でも、違うのだろう?


声が聞こえて、目を開いた。
周囲を見渡すが、誰もいない。


お前は、立ち去らねばならぬ。


風が吹いた。強く、強く。
その風の強さに驚きながら、何故、と問う。
まだここにいたいのだ。もう少しだけでも。
必死に訴えても、風はやまない。


お前は、ここに相応しくない。


その言葉が聞こえて、風がやんだ。
再び心の中で、何故、と問う。
風が吹いた。まるで溜息のような、風。


以前、お前はこの場所を破壊して行った。


告げられ、何故、という問いは、いつ、に変わる。
初めて来た場所のはずだ。見覚えがないのだから。


お前の心が黒く荒れ、何も見えていなかったときだ。


心に降り積もった色彩が、飛ぶ。
隠れていた黒いものが見え始め、思わず荒く息を吸った。
言うな、言うな、この色彩を消さないでくれ。
叫ぶように願う。だが、風は吹き続けた。


今回、お前はここを綺麗だと思った。だから立ち入ることを許した。


風が吹き荒れる中、その声だけははっきりと聞こえる。
だから声に向かい、心の中でひたすらに問うた。では、何故、と。


お前は、居座ってはならぬ。


風が、急にやんだ。
黒の上にあった色彩は、すでにない。
荒い息をつきながら、顔を上げた。


お前の黒い心を消すことに、花たちを使われるわけにはいかぬ。


目を見開いた。
問いは、また変わる。
何故、でもない。いつ、でもない。
語りかけてくるお前は、誰だ?


ここの主だ。花たちを統括し、その責任を負う者。


穏やかな風が吹き始める。
流れてくる汗を拭い、息を吐いた。


「邪魔したな」


声に出して言うと、風で花が揺れる。
草花が擦れ合い、苦笑のように聞こえた。


以前、馬でここを駆け去っていったお前ならば。


立ち上がり、続きを待つ。
風は暫くやみ、漸くまた吹きだした。


その、躯を。躯だけなら、受け入れてやるつもりだった。


言われて、再び汗を拭いながら苦笑する。
要するに、死ぬまで入ってくるなと。


「悪かったな。生きたまま入ってきちまって」


花が、揺れる。
今度は苦笑ではないように聞こえた。


若者よ、ひとりだけくれてやろう。


笑い混じりのような声で言われ、首を傾げる。
風が、一瞬だけ強く吹いた。


この花たちの中からひとりだけ、連れて行くがいい。


告げられて、いいのか、と呟く。
応えるようにまた風が吹いて、なら、と、しゃがみ込んだ。

選ぶ。選んでいる。選んでいたつもりだった。
色々な花を見比べてみたつもりだが、目線はいつも同じ場所へいく。
それに気付き、自嘲した。そうして思い出す。
そう、確か遠目にこの花を見つけて、近づいて。


「こいつを」


指差したのは、小さな桃色の花。
風が、呆けたようにやんだ。


「駄目か?」


聞くと、暫くの間を置いてから、いいや、と返事が来た。


「じゃあ、こいつを貰っていく」


すまない、手折るぞ、と侘びながら、花に手をかけた。
茎の途中から花を折り、持ってきていた水袋に入れて軽く縛る。


その、花は。


聞こえてきた声に、立ち上がって耳を澄ます。


その花は。その花の母は、以前お前が馬で踏み潰した。


言われていることがわかって、瞑目した。
手折ったばかりの花に手を添えて、言う。


「もう、己を見失わない。己のためだけに、命を奪わない」


そうか、と、聞こえたような気がした。
そのあとは強風に煽られて、走るように愛馬の元まで送られた。













成都に帰り着き、まずしたことは、彼の人を探すこと。
今日は、曇りの多い成都には珍しく、見事に晴れた。
こんな天気のいい日は、まず執務室になんかいないだろう。
庭園か、それとも城下町か。考えながら馬を進ませる。


「・・・大当たり、だな」


城下町の、小さな池。
その横には大木が立っており、絶好の木陰になっている。
近づいていくと、予想通りそこにいたのは探し人。
気持ちよさそうに、すやすやと惰眠を貪っていた。


「おい」


起きろ、と呼びかけそうになって、やめた。
花を、眠るその人の前髪にそっと挿した。
暫く、その姿を目を細めながら見る。


「・・・誓う。俺は、もう二度と過たない」


小さく、言った。
直後。


あなたを、主様が追い出した理由がわかったわ。


幼子のような声が聞こえて、瞬間的に花に目をやった。
あどけない口調で、花は楽しそうに語る。


あの場所より、この人の傍のほうが居心地がいいと思ってるからよ。


笑われて、苦笑を浮かべた。
ああ、そうだよ、と、半ば自棄に返答する。
黒いものを、上から覆って見えなくするのではなく。
下から突き破るような、また、そっと剥がすような。
そして、包んでくれるような。


見えなくするんじゃなくて、消してしまうのね。不思議な人。


くすくすと笑い声を残して、それきり声は途絶えた。
多分、あの花にも、自分に対する憎しみが残っているだろう、と思う。
それも、消していくしかない。誓いにかけて。


「おい、起きろ。劉備!」


一度目を閉じ、すぐに開いて、眠る主の肩を揺さぶった。
起こして、池に移った姿を見せてやろう。
自分の姿を見て、いつ頃から拗ねて不貞腐れはじめるだろうか。


「ん〜・・・馬超・・・?」


口の端が上がる。俺は、こんなにも笑えるようになった。
それはあなたのお陰、だとかは決して言わないけれど。
でも俺は、ここまで笑えるようになったから。


「劉備。そこの池、覗いてみな」


だから、あなたが不貞腐れてきたら。
笑って、何不貞腐れてんだよと言ってやろう。


「・・・ッッ! ばッ、馬超〜〜〜〜!!!!」


笑い声と、花の香りを乗せて。
風が、ふわりと舞った。








あんまりにも素敵だったもので、妄想ノンストップでこんなことに・・・。
夢見すぎってことはわかってるんです。でも夢は見るためにあるんです!(ぇ)
それにしても言葉が上手くまとまらなくて、えらいことに・・・;
さて。この駄文にはどれだけの人が気付くのだろうか。





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