子どもたちに<生きる力>と<希望>を! 
<高校生の性>の今 資料01

  

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【資料01】

性の不安 若者同士で
【転載】 朝日新聞 020305

 若い人たちの間に性感染症や人工妊娠中絶が広がっているなか、
若者同士が悩みや不安を語り合う「ピアカウンセリング」の手法を
性教育に取り込む自治体が増えている。大人が「教える」これまでの
性教育ではとらえきれなかった実情や問題を、若者自身に考えても
らうための試みだ。                    (大藤 道矢)
 
 「試験管にコンドームをつけてみてください」
 そろいの赤いジャンパーを着た大学生が、実物を示しながら使い方を説明する。「中に空気が入らないように気をつけて」「外すときも漏れないようにしないといけないよ」
 2月下旬、宮崎県佐土原高校であった、1年生の思春期教育の授業。ピアカウンセリングが取り入れられた。生徒たちより少しだけ年上の大学生がピアカウンセラーとなり、プログラムを進めていく。「ピア」とは「仲間」の意味だ。
 ピアカウンセラーの大学生は、生徒たちに人生設計を立てさせたうえで、今妊娠したら、させたらどうするかを考えさせた。
 男子生徒からは「おろすように言うけど、生涯のパートナーにする」「産んでもらって、自分は学校を辞めバイトする」といった意見があり、女子からは「中絶は嫌なので産みます」などの答が返ってきた。
 それに対し、ピアカウンセラーは「正しい」「間違っている」といった判断は示さない。生徒たちに自分の力で考えさせようと、対話をリードしていく。
 その後、100%確実な避妊方法はないことや、コンドーム以外の避妊方法では性感染症を防げないことを、表や写真も使って訴えた。高校生たちは終始、真剣な表情で大学生の話に耳を傾けた。
 宮崎県では今年度からピアカウンセリング導入を試し始めた。昨年8月と12月には、受講を希望する高校生を集めてカウンセリングを実施。参加した生徒からは「ピアカウンセラーと年が近いので、楽しく考えられた」「性を通じて自分探しができた」などと好意的な感想が多く寄せられた。
 ピアカウンセラーとなる大学生を指導している宮崎医科大学の前田ひとみ助教授は「これまでの性教育とは違う視点を提示できる。学校教育を補完する役割を果たしたい」と話している。

各地でカウンセラー養成 「性教育の転換図れる」

 自治医科大看護短大の高村寿子教授は91年から、ピアカウンセリングによる性教育に取り組んでいる。各地でピアカウンセラーの養成講座を開いているほか、教え子たちもボランティアグループをつくって普及に努めている。
 自治医大がある栃木県は、人工妊娠中絶で未成年者の占める割合が、ここ4年連続して全国で最も高い。そこで来年度から、県内の大学や短大、看護学校の学生など毎年50人程度をピアカウンセラーとして養成する事業を、県と県教育委員会が共同で進めることにしている。県児童家庭課の矢板橋チヅ子課長補佐は「ピアカウンセリングは、地域と学校がいろいろな面で協力していくきっかけにもなるでしょう」と期待する。
 高知県も昨年度から、ピアカウンセリングを導入している。同県の未成年者の人工妊娠中絶実施率は10年以上、全国平均を上回っている。3年前に、産婦人科を受診した24歳以下の女性の実態を調査したところ、性行動に一番影響を与えるのが友人であることや、不確実な情報交換が多いことがわかった。同県ではこれまでに、41人の学生がピアカウンセラーの養成講座を修了した。将来は学生たちの自主的な活動に発展するように、支援していくことにしている。
 高村教授は「性について大人の価値観で指導しても、現状に対応できない。ピアカウンセリングでは、正確な情報をもとに若者同士が自分の力で性の問題を考えるので、性教育の質的な転換を図ることができる」と話している。
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