★安らげる場所★

 

 

 

ランティスが気が付く少し前に時間は遡る・・・・

クレフは、部屋から抜け出してどこに行こうとしているのだろう・・・。

自分の体に起こり始めている異変を誰にも見られたくなくて・・抜け出していた・・。

それはそうだろう・・。

純粋なセフィーロの人間ではあるが・・普通の人間にはあり得ない変化だからだ・・。

めまいを何度も起こしかけ・・倒れかけながら・・どこかに向かっている・・・。

熱も下がるどころか、高くなっていっている・・・。

意識が朦朧としている・・。

息も荒く・・とても歩ける体調ではない・・・。

目の前が霞み・・前がよく見えないくらいだ・・・。

そんな状態でも、どこかに行こうとしている・・・。

何故なのだろう・・・。

普通の状態ならば数分もあれば行けるのだけど・・

1時間ほどしても辿り着くことができないでいる。

2時間ほどしてやっとたどり着く・・。

その場所は・・・城の最上階の部屋の1つ・・

精霊や精獣たちが憩っている場所・・

精霊の間・・・・・・

そこにやっとの状態でたどり着く・・クレフ・・

「はーはーはー・・・・・・・・」

息も荒い・・・・・・。

「やっと・・着いた・・。まさか、ここまで体調がダメになるなんてな・・・。」

複雑な笑みを浮かべる・・・。

そんな状態で・・結界を作り・・その中で眠りにつく・・・・。

 

その頃・・気が付いたランティスは・・クレフの気配を必死に追っていた・・・。

部屋にも城からも・・セフィーロ内からも・・気配を感じない・・・。

冷静さを少し失っているランティス・・・・・

そんな彼を見て・

「ねぇ?ランティス〜。」

「クレフの部屋に居るはずの海ちゃんに聞いてみればいいんじゃない?」

至極当然の疑問を光は、ランティスに投げかける・・・・。

はっとしたランティスは・・・

「そうだった・・。そうすればよかったんだ・・・。」

今・・始めて気が付いたような面もちで・・そう言った・・。

「も〜う・・。変なところ抜けてるんだから〜。」

笑いながらランティスにそう言う・・光

「じゃあ・・光。導師の部屋に行ってみるか?」

少し照れながら・・光に誘い掛ける・・・・・。

「うん!行く〜。」

ウキウキした様子で・・ランティスに着いていく・・・。

そして・・・導師の部屋へ向かう・・・。

 

一方・・導師の部屋で眠っていた海は・・・

そんな騒ぎになっているとも知らずにいた・・。

でも、ランティスたちがこの部屋に向かう算段していた頃に・・目を覚ます・・。

「ふわ〜ぁぁ〜。よく寝たわ・・。あれ?クレフ?」

そう言いながら・・クレフが居たはずのベッドに視線をやる・・・。

「いない・・。クレフ??それに・・私ったらいつのまに・・寝てしまったのかしら・・。」

「みんなに知らせなきゃ・・。どうしよう〜。」

そう言いながら・・部屋をうろうろしている・・・。

そして・・・部屋をうろうろしていたら・・

クレフの机が目についた・・・。

その上には・・何か手紙のような物が乗っている・・・。

それに気が付いた海は・・その紙を手に取って・・目を通して見る・・。

その手紙は、何故か日本語で書かれていたのだ・・。

これなら・・海にも読むことができる・・・。

”海・・私が居なくなっていて驚いただろう・・。驚かせてしまってすまない・・。”

”私は、この城の最上階の精霊の間という場所に移動する・・。”

”この体調が戻るまでそこにいるつもりだ・・。”

”だから、心配しないでほしい・・。”

”皆にもそう伝えてくれ・・。世話をかけるな・・海・・”

”成長期に入ってしまったようでな・・。人に姿を見られたくないのだよ・・。”

”しばらくしたら戻るから・・。”

”この文字は・・以前来た際・・風に習っていたので・・書けるのだ・・。”

”海と・・いろいろやってみたくてな・・・。”

”それでわ・・海・・よろしく頼む・・。”

といった内容の手紙であった・・。

その手紙を読んだ後・・海は

「もう〜〜!クレフったら・・私を眠らせたのね!」

「今度、お仕置きしてあげるわ!」

「まあ・・置き手紙があったし・・城からは出ていないみたいだから・・いいけど・・・」

「さ・・ってと、みんなに一応知らせに行こうかしら・・・。」

そう・・ぶつぶつと呟いているうちに・・

光とランティスがクレフの部屋までやってきたのであった・・・。

コン・コン・コン・・・・

ノックの音が響き渡る・・・。

「はい!どうぞ・・。」

その声が響くと扉が開かれた・・。

そして・・ランティスと光が入ってきたのです・・・・。

「導師は?」

開口一番に海に向けてそう問い掛ける・・ランティス・・。

「クレフなら・・置手紙あって・・最上階の精霊の間ってとこにいるみたいよ・・。」

そうランティスに説明する・・・・・・・。

その答えを聞いて・・

「そうか・・・。居場所が判れば・・心配ない・・。」

「よかったね!ランティス・・居場所が判って・・。」

そんな会話を交わす・・光とランティス・・・・・

「ところで・・?パーティは・お開きになったの?」

光たちに問い掛ける・・海・

「海ちゃん!そうだよ!おわっちゃったの!」

そう元気に答える・・光・・・

「そっか・・・。クレフ・今ごろどうしてるかしら・・・・。」

独り言のように呟く・・・・海

「ま・・心配するなってことだったし・・今度、顔を見たときに聞くわ!」

元気を出すように顔を上げて・・そう言葉にする・・・海・・

そして・・・海たちは・・クレフの部屋から出て行き・・

自分たちの当てられている・・部屋に・・向かったのでした・・・。

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今回の話はここまでです。

次回をお楽しみに!

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