★安らげる場所★

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「そうだな・・・どんな話から話せばいいのかな?」

そんな風に海に質問する・・。

「そうね〜〜。クレフの日常と思い出・・聞きたいな・・・」

クレフに目を向けて海は、そう話す。

「わかったよ・・海・・・」

「どこから話そう・・・。そうだなぁ・・・」

腕を組み考え始める・・・。

そばでじっとしている・・海

「私の思い出・・・そうだね・・・。どんなことが聞きたいんだ?思い出って・・」

海にそう質問する・・。

「クレフの家族とか・・小さい頃のこととか・・聞きたい!」

「ものすごく聞きたいの・・・。だって・・・・・・クレフのこともっと知りたい・・!」

興奮しながらそう言い始める・・・。

びっくりした顔のクレフ・・・

「そんなに私の過去のことが知りたいのか?」

そんな質問を口にする・・・。

「うん!だって・・・・・・・」

少し顔を赤らめ・・そう口にする・・・。

「わかった・・・。」

そう言うと・・目を閉じて過去を思い出している様子が見える。

「どこから話そうか・・・。」

「私の家族は・・と言うより・・一族は、精霊と人の間にできた一族で代々導師や魔操士・・などになる者達が多い一族でもあった。 

そして・・秘密の場所にその居を構えていたのだ。私の記憶の中には、両親のことなど覚えていないのだけど・・・でも、同じ一族の者達の集落で暮らしていたんだ。

普通のセフィーロ人から見れば不思議な者達なのだろうな・・。

私たち一族の者達は、精霊や精獣たちと交流を多く持ち・・人でありながら精霊や精獣のような中間な者の集団だった。

その力は、手を触れずに物を動かすことができ・・他にも人の心が読めたり・・そんな力を持っているが故に隠れ里で暮らすようになっていた一族だった。

私にもその血が受け継がれている。私の魔力の高さや精霊や精獣と波長が合うのはたぶんこのせいだろうと思う。

とにかく・・私には、もはや家族と言える者達はいないということなんだ。

・・まあ・・私しか残っていないということなんだ・・。

一族・・仮に・・無の一族とでも言おうかね・・。

私が導師となった頃・・まだ、無の一族の者達も結構生きていたんだけどもね・・・。

外見はそうだな・・・。だいたい・・私の外見に似ているのだけど・・・。

目の色とか髪の色くらいかな・・違いがあったのは・・・。

だからかな・・・私には、両親がいるという感覚が理解できないのは・・・。

幼い時・・と言っても・・何年前の話だろうな・・・。

無の一族は、その数が減り始め・・それとともに・・子供も生まれなくなっている時期があってね。

その時に生まれた最後の子供が私なんだ・・。

無の一族の者は、恋愛感情があまりないのだから・・そう言う感情で子供ができるわけでない・・。

無のと表現したのは・・・どちらでもない・・・男性・・女性のどちらでもない・・。

つまり・・・無の一族の者は、男でも女でもある・・・ということなんだよ・・・。

海・・・・。

私自身の外見年齢も・・まあ、意思の力でもあるけど・・あんまり・・外見が成長しない一族だからこそ・・・なんだと思う。

隠れ里で暮らしていた頃のことをあまり覚えていないんだけど・・・

物心ついたときにはもう隠れ里から一族が散り散りになってしまったからね・・・。

魔法のことや世界の理なんかを学んだよ・・・。

一緒にいた一族の人に習ってね・・・。

独り立ちしてからは・・・導師としての役目を果たしながら・・ランティスたちのような弟子に恵まれてうれしいかな・・・ってところだよ。」

そこまで話したところで一息入れる・・・。

お茶を一口すする・・・。

一緒にお茶を飲んで

「じゃあ・・クレフは性別男でもあり女でもあるってことなの?」

そう海は、クレフに驚きつつ質問する。

「そうだよ。まあ、私は成人前だけどね・・・・。」

そう質問に答える。

「恋愛感情があんまりない・・っていうことは、特別に好きな人がいないってことなの?」

続けざまそんな質問をする。

お茶をもう一口飲んで・・

「そうだね・・。そういうことになるね・・。私たち一族の者はそういう者が多いんだ。まあ、今は、私しかいないけどね・・。」

そう応え寂しそうに言葉を濁す・・。

「ねぇ・・・クレフは、特別に好きっていう人とか感情ないの?」

そんな質問まで・・・

「う〜ん・・・。今のところはいないかな・・・。」

「それがどうしたんだ?海」

不思議そうに聞く。

「うぅん・・。なんでもないの。気にしないで・・・。」

首を横に振ってそう言う・・その顔は、どことなく寂しそうだ。

周りの者達には、会話の内容がわからないようだ・・・。

クレフ自身も何故、海にこんな話をするつもりになったのか・・・わからない・・。

今まで誰にも話す事がなかったのだが・・・・・。

不思議な感情が胸の中に去来する・・。

それも海に対してのみのような感じだ・・・・・。

心の中で首を傾ける・・・。

そんな様子のクレフとは対照的に・・海は、

「(そんなクレフの特別な存在になりたいな・・。)」

なんて心の中で考えていたりする・・・。

というのは・・・海にとってクレフは特別な存在になっている為なのだけど・・・。

昔のことだけでなく最近の話も聞こうと・・

「ねぇ?クレフ?最近は何をしてるの?」

海のその声に我に返るクレフ・・・。

「そうだね・・。う〜ん・・・。」

腕を組み・・迷いを見せる・・。

一瞬後に・・顔を上げ

「私は、会議の資料を作ったり・・他国の本を読んで勉強したり・・後身の指導をしたりしている毎日を過ごしているよ・・・海。」

自分の日常的なことを簡単にまとめてしゃべる・・。

「そうなんだ・・・。でも、無理してるでしょ?だめよ、無理はしないでね。」

そう・・心配そうに言う。

「そうだな・・。気をつけるよ・・・。」

まじめな顔をして返事を返す。

そんな話をしながら・・2人はお茶を飲んでいたが・・・

突然、クレフの顔色が悪くなってきた・・・。

でも、気づかせないように素早く魔法で取り繕う・クレフ・・

海も最初は気が付かなかった・・・。

そんな自身の体調を隠しながら海に・・

「今度は、海が向こうの世界に帰ってからの話をしてくれないか?」

そう頼む・・。

意外そうな顔をするが・・自分の事を気にしているのかな・・と思い・・少し嬉しげに

「いつもの日常に帰ったの。両親がいて・・学校に行って・・勉強して・・向こうの友人と遊びに行ったり・・以前の日常に戻ったの。得に変わったことはないわ。」

そう身振り手振りを加えながら話す。

穏やかな顔をし・・海の話を聞いているクレフ

クレフに話を聞いて貰うのがうれしいのか・・笑顔で話をしている海・・・

海の話にいちいち頷いている・・。

止めどない話を聞きながら・・自分の体調がさらに悪くなっているのを感じているクレフ・・・

それでも、穏やかに話を聞いている・・・。

魔法で顔色を隠しているが・・さすがに、熱がでてきていることまでは隠せない・・。

顔色が真っ赤になってきている・・・。

真っ赤になっている顔のクレフにさすがに気が付いて・・

「どうしたの?クレフ・・・真っ赤な顔だよ・・。」

そう声を掛けつつ・クレフの顔をのぞき込む・・。

そして、額に手をあてる・・・。

「ちょっと・・クレフ!熱があるじゃない!もう、休まなきゃ!」

心配そうに早口でしゃべる・・・。

「だ・・大丈夫だ。海・・」

その剣幕に驚きつつ・・そう言うが・・

「だめよ。無理矢理にでも寝かせるからね!」

そう言い・・いきなり、クレフを抱き上げる。

いわゆる・・火事場の馬鹿力というやつだろう・・・。

抱き上げたクレフを部屋につれていく・・・。

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今回の話はここまでです。

私なりの解釈とオリジ設定してみました。

こうだったら面白いかな・・という設定です。

次回をお楽しみに!

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